昨日、ピナリーさんをちょこっとご紹介したので、今日はタイ女性アーティストつながりとでもいいましょうか。私もずっと気になっているアーティストさんなのですが、たまたまDaily Xpressさんで記事を見つけたこともあるので、Araya Rasdjarmrearnsookさんに注目!Arayaさんは「死」をテーマにした作品を数々と発表されている女性アーティストです。実は私がまだいち旅行者としてタイに来ていた2002年に偶然、バンコクのナショナルギャラリーでArayaさんの"Why is it poetry rather than awareness?"展と出会い、度肝を抜けれた記憶があります。死体の服を着せ替えさせたり、死体へ詩を読みきかせる作品を含め彼女の作品はタイ国内でも批判や賞賛を含め多く批評されています。また90年代には女性をテーマにした作品をつくっており、タイの女性アーティストのパイオニア的存在としても注目を受けています。
友達にも、タイの現代アートのことを知りたきゃチェンマイに行かなきゃ、といわれるくらいアツい地。私も一度、ゆっくり滞在したいと思いながら、そんな暇もなく留学を終えてしまいました。Pandit Chanrochanakit先生(ラムカムヘン大学の先生)がハワイ大学の博士論文としてかかれた『The Siamese. Diorama and the Thai National Imaginary in. Contemporary Thai Art』はArayaさんやNavinさんの作品を含めてチェンマイベースのアーティストについて詳しくてとても面白いです。おすすめ。
さらには2006年のTemporary Art Museum Soi Sabaiでバンコクにいらっしゃり、momokomotionのCDジャケットやトムヤム プラーディプ展でタイでも大人気の奈良美智さんも参加してます。Temporary Art Museum Soi Sabaiのクロージングパーティーにいったときに奈良美智さんの姿を発見し、本当にびっくりしたのを覚えてます(バンコクに行く前から奈良さんの作品はずっと好きだったので、まさかここで本人に出会えるとは!もちろん、雲の上のような存在でしたので話しかけることはできませんでした・・・。)
ユタート監督といえば、今年の『The Last Moment (Rak-Sam-Sao)』が大ヒット。すでに『キラー・タトゥー』やBuppah Rahtreeシリーズでかなり高い評価を受けている中堅の監督さんです。そしてウドム・テーパーニット(ノート)さんといえばスタンダップコメディアンとしての成功のみならず、アーティストとしても大活躍されている方です。横浜トリエンナーレにソイプロジェクトの一員として参加したり、著書が日本語に翻訳されていたりとなにかと日本とも関わりの深いマルチタレントの持ち主。映画俳優としてもあのチャトリーチャラーム・ユコン監督の『Box』をはじめ、『Loveaholic』『Bus Lane』といった作品で主演を務めている旬な映画俳優さんでもあるのです。ちなみに現在、サイアムスクエアにある劇場Lidoにて、ノートさんの最新スタンダップコメディ(ディヤオマイクロフォン7)の公演を隠し撮りした(=舞台の裏を追った)ドキュメンタリー映画『แอบถ่าย เดี่ยว 7』が上映中です。
94年に映画文化促進や映画史研究を目的として設立されたNGO団体のタイ映画財団(Thai Film Foundation)によって、97年に立ち上げられたこのインディペンデント映画祭は過去に、『心霊写真』のパークプム・ウォンプムや『レベル・サーティーン』のマシュー・チューキアット・サックヴィーラクル、『フェーンチャン ぼくの恋人』のウィッタヤー・トーンユーンとソンヨット・スックマークアナンらを輩出しており、タイ国内の映画人から最も支持の高い映画祭として追随を許しません。
・オープニング(要予約とのこと) オープニングは毎年、力の入った作品が上映されますね。今回私が一番注目しているのは、Sompot Chidgasornpongse監督の『Diseares and A Hundred Year Period』。アピチャッポン監督の『世紀の光』で第二助監督をしていたSompot監督が、その検閲へのレスポンスとして作った短編作とのこと。どんなんなのか気になります!
・Electric Eels Showcase バンコクベースの独立系のフィルムプロダクションElectric Eel Filmsの作品が上映されます。電気うなぎプロとでも呼びましょうか?(笑) タイ国内外の短編映画祭で評価をされている作品を製作しているプロダクションです。もっとも有名なのは一昨年の短編映画祭でも上映されたアノチャー(Anocha Suwichakornpong )監督がコロンビア大学の卒業制作として作った『Graceland』。カンヌ映画祭にも出品され、アノチャーさんは一躍世界から注目される映画監督となりました(一昨年の映画祭にはアノチャーさんの作品の上映に外国人も結構きてましたし)。ちなみにきれいな女性の監督さんです。今回はアノチャー監督の新作『Like Real Love』も上映されるようです。
・Clermont Ferrand Showcase フランスで一番大きな短編映画祭Clermont Ferrand Film Festivalからのセレクション。Clermont FerrandのプログラマーRoger Gonin氏によるセレクション、ゲストとして映画祭にもいらっしゃいます。すごいなーClermont Ferrandきましたかーっ。
・Queer Shorts:Fluidity and Variety クィアー短編映画特集。タイってゲイ、レズビアンにオープンかと思いきや意外や意外、クィアー映画祭が開催されてないんですよね(イスラム教国のインドネシアにQ!Film Festivalがあるのに)。実はタイでも以前そういう動きがあったのに、警察や検閲の手が入ったりしたことがあったりと一筋縄ではいってないんですね(詳細:Alternative Love Film Festival in 1998)。最近では短編でも長編でも、そういったテーマの作品はかなり多くなってきてますし、Thai Queer Short Filmといった動きもでてきているし、ある意味このプログラムは必然的な感じがします。
・AIRPLAY UK :The Best in British Music Video なんかバンコク在住外国人が集まりそうなプログラムですね。
・Digital Forum:Low Budget but Enthusiasm 一応短編映画は30分以内の長さなのですが、30分で収まらない作品はこちらで上映されるそうです。
・Competition もちろんメインはコンペ。
The R.D. Pestonji Award The White Elephant Award The Special White Elephant Award The Duke Award (Documentary) The Payut Ngaokrachang Award (Animation) The Kodak Filmschool Award (Cinematography) The International Competition Award The Special R.D. Pestonji Award (Inspiration by R.D. Pestonji)
ちなみにトリビアではないですがDaily Xpress: All in the familyのよると、バンディット監督は当初、ブンチョー役に『サイアムスクエア(Love of Siam)』のマリオを考えていたそう。確かに旬な二人だけど、そしたらマリオとサイパンで『Friendship』みたいになっちゃうし、ブンチューとモーリーの息子がマリオってのもちょっと違う気もするので(マリオのお父さんはドイツの方なので)、ま、今のこのキャストでいいんじゃないかと。マリオのスパンブリー方言も聞いてはみたいけど(笑)
今月末からはじまる第12回タイ短編映画祭(12th Thai Short Film and Video Festival)にて、 パーヌ・アリーさん(加えて、昨日も紹介したバンコクポストのKong RithdeeさんとKaweenniphon Ketprasertさんが共同で監督を務めてます)の新作『The Convert(มูอัลลัฟ)』が上映されます。มูอัลลัฟとは新たにイスラム教徒になること、イスラム教に改宗することを意味する単語のようです(オンラインのタイ語辞書には載ってなかったのですがググるとそういった意味が出てきました)。
Ing K、Manit SriwanichpoomそしてKraisak Choonhavan議員という知る人からするとこれゃすごいと思うメンバーがつくりました。
Ing Kさんは作家、画家、映画監督とマルチに活躍する女性アーティスト。映画関係では『Thailand for Sale』(1991)で脚本、そして『Green Menace: the Untold Story of Golf』(1993)、『Casino Cambodia』(1994)、『My Teacher Eats Biscuits』(1998、検閲委員会に引っかかった作品)では監督もしています。 監督としては約10年の歳月を得ての今回の『Citizen Juling』です。
そしてKraisak Choonhavanさんなのですが、故チャチャイ元首相(Chatichai Choonhavan)の息子さんで、現役の政治家の方です。実は私、7月にタイに行ったとき韓国人の友人の絵画展「Still-life still life art exhibition」のオープニングでKraisakさんの姿を拝見しているのですね。まさかこんなすごい映画をつくっている方だとはつゆ知らず、それにけっこうな大物だと友人から聞いたので、話しかけなかったのですがもったいなかったかも。彼はJulingさんの絵画展も企画したそうで、どうやらアートには造詣の深い方だったよう。また、彼が警察や軍隊といった権威と闘う政治家という立場もあり今回の記録映画もより人々の中に入っていけたようです。
『In the Shadow of the Naga』を観ていないので(トロントがワールドプレミアです)なんともいえないのがもどかしいですが、やはりちょっと残念でなりません。コメディ映画でも観ようによっては仏教を冒涜しているようにみえるようなシーンがある作品が検閲を通りリリースされているのに、シリアスな内容になるとこうして(自主的だとしても)検閲・規制が入ってしまうとは・・・。まだこの作品に関しては「タイで観られない」と決まったわけではないのですが、ひとつ、検閲や自主規制について考える機会を提供してくれる作品なのではないかと思います。
ちなみにこの『In the Shadow of the Naga(นาคปรก)』のPhawat Panangkasiri監督は『Orahan Summer(อรหันต์ซัมเมอร์)』というコメディ作品でも仏教を扱ってて(子供らが夏休み中に仏門に入る話)、きっと「仏教」に関心の強い映画監督なのではないかと思ってます。ちょっと注目。
しかも『In the Shadow of the Naga(นาคปรก)』では3人の強盗をSomchai Khemklad(『Killer Tattoo』の主演)、Ray MacDonald (『Fun Bar Karaoke』の主演) Pitisak Yaowananon (『Ai-Fak』や『Krasue Valentine』で主演)という、超実力派俳優が演じているので、もうそれだけでも絶対みなきゃと思っちゃいます。